『幽艶花』に潜む物語

yuuenka
「幽艶花」を読み終えて感動に打ち震えるぎをらむ。
(プライバシー保護のため、映像に若干の修正を加えてあります。)

2003年8月29日

長らくここの更新があいてしまい申し訳ありません。次はもっとあくかもしれません。(待て)

今回、思いがけず茅田砂胡さんの同人誌、 通称「望園鏡」シリーズの一冊「望園鏡番外編 幽艶花」を読むことができました。 作品自体が面白く感動的だったことはもちろん、茅田砂胡さん作品を探求する上でとても興味深いものでした。 今回の「戯れ言」はこの「幽艶花」についてのうんちくでありまする。 最後までお付き合い頂けますれば、まことにもって恐悦至極にございます。

「幽艶花」は十数冊発行された「望園鏡」シリーズのうちの第二作にあたるもので、 このサイトに来られる方の中でも読まれたことのある方は少ないのではないかと思います。 そこでまず「幽艶花」とはどんなお話か説明しようと思い、私なりにあらすじを書きました。 しかしさすがにこれをここに載せるとネタバレも度を過ぎますので別ページに掲載いたします。 「今後も読むことはないよ〜」とか「読む予定だけど、ネタバレでも構わないですわ♪」 という方だけ読んでみて下さいませ。

「幽艶花、あらすじ編」

さて、この「幽艶花」、やおい同人誌ということで先入観を持たれる方もいらっしゃるかも知れませんが、 誤字脱字が多いことを除けば商業作品として出しても全く問題ない、完成度の高い作品です。 そして他の「望園鏡」シリーズと同様、 後の「王女グリンダ」「デルフィニア戦記」「スカーレット・ウィザード」「暁の天使たち」と ほぼ同じキャラが多数登場するお話です。 ただし「望園鏡」シリーズの本編である「望園鏡」「紅炎輝」が 後の「デルフィニア戦記」の元となるエピソードであるのに対し、 この「幽艶花」は「デルフィニア戦記」では描かれなかったエピソードです。

では「幽艶花」は「望園鏡」シリーズでしか読むことのできないお話かと言いますと、 それは違うのではないかと私は考えています。 それは「幽艶花」をニ人の主人公、サラとセフィアナを中心にして簡潔にまとめるとはっきりしてきます。 (「望園鏡」シリーズを通しての主人公は小次郎とサラのようですが、 「幽艶花」に限れば、主人公はサラとセフィアナだと私は考えています。)

サラを中心にして見た「幽艶花」 セフィアナを中心にして見た「幽艶花」
  • 短期間、婚約者の代役をしてくれと依頼される。
  • その依頼の裏には、もっと大きな陰謀が隠されている。
  • 幼馴染から陰謀の内容を教えられる。
  • 主人公が陰謀の黒幕を一掃する。
  • 病弱のお姫様で余命いくばくもない。
  • 国は亡き父の重臣たちに乗っ取られようとしている。
  • 救いにやってきた相手とは、実は以前にも会っていた。
  • 重臣たちの陰謀は防いだ。しかし花の中で永い眠りにつく。

さてさて、この二つのお話、どこかで見たことがありませんか? そう、ヒロインが銃を振りまわしてこそいませんが、 サラを中心にして見た「幽艶花」は「レディ・ガンナーの冒険」と、 セフィアナを中心にして見た「幽艶花」は「スカーレット・ウィザード」と基本的に同じ物語なのです。
(こういうことに着目する時点で、私の本の読み方はどこか間違っているような気がしないでもないです。)

だからと言って「幽艶花」が「レディ・ガンナーの冒険」と「スカーレット・ウィザード」の原形だとまでは断定できません。 なにしろ私は「望園鏡」シリーズを読んだのは「幽艶花」が初めてですし、 茅田砂胡さんは他にも同人作品を沢山書かれています。 同じパターンのお話がニ回出てきたからには、 茅田さんが他の作品でも同じパターンを使われている可能性は高い訳でして、 その中で「幽艶花」が原点であるとはとても言い切れません。

また、「サラの視点から見た幽艶花」と「レディ・ガンナーの冒険」は、同じパターンのお話でありながら、 それぞれの主人公であるサラとキャサリンのキャラクターが全く違います。 他にも類似点はいろいろあるのではありますが、主人公のタイプが違うという点で、 「幽艶花」が「レディ・ガンナーの冒険」の原形であると言い切るのは少々無理があるでしょう。

しかし、「セフィアナの視点から見た幽艶花」と「スカーレット・ウィザード」は、お話のパターンだけでなく、 主人公セフィアナとジャスミンのキャラクターが一致する点で、その関連性がとても強いと言うべきでしょう。 「『深窓のお姫様』セフィアナと『赤ゴジラ』ジャスミンのキャラが一致するですって!?」と仰るそこの貴方、 ジャスミンはああ見えても遺伝子異常で寿命30歳と言われた「眠り姫」だということを忘れていませんか?(笑)

「望園鏡」シリーズでは、セフィアナとは別にジャスミンの原形と言われているキャラが存在します。 小次郎の母親である赤毛の女傭兵クレアです。 しかしクレアはジャスミンの「赤ゴジラ」な面の原形ではあっても、 幼少のころの病弱な「ミリィ」の部分の原形とは言えません。 そして私はお話のパターンと主人公のキャラの両方が一致する点で 「幽艶花」のセフィアナこそが「スカーレット・ウィザード」のジャスミンの幼少期「ミリィ」の原形である可能性が 非常に高いと考えています。 つまりジャスミンというキャラクターはセフィアナとクレアを組み合せて生まれたのではないかということです。

・・・・と、ここまでだけで、だいぶうんちくが長くなってしまいました。 「小次郎はダムーそっくりですわ」とか「サルヴィアはアンジェラではないでしょうか」とか 「ひょっとしてオルテスがランスーリンの原形キャラだったのか!?」などなど、 まだまだ書きたいことがつもり積もっているのでありますが、 それはまた回を改めてお送りしたいと思います。

なお、私に「幽艶花」を読む機会を与えて下さいました、みやさんに、遅れ馳せながら御礼申し上げます。
ありがとうございました。

それでは今回はこの辺りで失礼いたします。

「戯れ言」に戻る。

このページに関するご意見、ご感想は、
ぎをらむ、こと嬉野通弥(ureshino@i.bekkoame.ne.jp)まで。