アトリエ


マリア・バシュキルツェフ画
「Self Portrait with a Palette(パレットを持った自画像)」
1880年

絵を描いている最中や、パレットや筆を持っている自画像というのは、 「自分は画家である」という何よりの確認です。
真正面からの視線は、絵の鑑賞者へ訴えるものであるとともに、 画家自身へ向けられているものでもあるのです。


アンナ・ビリンスカ・ボーダノビッチ画
「Self Portrait with Apron and Brushes
(エプロン姿の筆を持った自画像)」1887年

気取ることなく、美化もせずにありのままの自分を描いたビリンスカ。 そこにあるのは画家としての自信です。


エドワール・マネ画
「Portrait of Eva Gonzales
(エバ・ゴンザレス)」1870年

左手にパレットと筆とともに持っている長い棒は モールスティックとか腕鎮と呼ばれる油絵用の道具です。
モールスティックの先端をキャンバスの端に当て、 その上に利き手の手首を置くことで、筆をぶらさずに描くことができるのです。
しかし普通、絵を描いている時に額縁は付けないと思います。


マリア・バシュキルツェフ画
「In the Studio(アトリエにて)」1881年

絵画教室の光景なのでしょう。
みな絵をほぼ描き上げており、 中央手前の女性はパレットを片付けるためにナイフで残った絵具を落としています。 筆を包んでいるのが「フィガロ紙」なところが、芸が細かいです。


アルフレッド・ステバンス画
「In the Studio(アトリエにて)」1888年

こちらは個人のアトリエ風景。
ステバンスは女流画家の活動に理解があったようで、 モリゾもゴンザレスもステバンスのアトリエに出入りしていました。
日本趣味のステバンスらしく、背景には屏風、扇、掛け軸、和傘など日本のものが多く描かれています。 モデルの女性が来ているのも着物のように見えます。


ウィリアム・メリット・チェイス画
「The Tenth Street Studio(10番街のアトリエ)」1880年

依頼主と打合せをしているところでしょうか。
大きなアトリエと何枚も置かれた絵は、画家としての成功を誇らしげに語っているようです。 宣伝の意味合いもあったのかも知れません。


ベルト・モリゾ画
「Paule Gobillard Painting(絵を描くポール・ゴビヤール)」1886年

筆を持つ腕の動きにご注目ください。
手首の位置が動いています。この描き方ではもうモールスティックを使うことはあり得ません。 印象主義は腕の動かし方からしてそれまでの古典主義的絵画とは違っていたのです。


クロード・モネ画
「Suzanne Reading and Blanche Painting by the Marsh at Giverny
(ジベルニーの湿地で読書するシュザンヌと絵を描くブランシュ)」1887年

外光派の画家にとっては屋外がアトリエです。
ブランシュは画家としては無名ですが、40年以上もモネの助手として画材を運びました。 モネが80歳を越えても屋外制作を続けられたのはブランシュのおかげだと言われています。
シュザンヌもブランシュもモネの義理の子供で、モネの絵にしばしば登場します。


エドガー・ドガ画
「Portrait of the Painter Henri Michel-Levy
(画家、アンリ・ミッシェル・レビ)」1879年

絵の中のご婦人は実は人形だったという、ドガらしいユーモア・・・なのでしょうか?

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