隠された遺跡


――プロローグ――
 
 今から 2000年程前、あの青い宝玉が・・・・・・・

 あれさえ落ちてこなければ・・・・・・・・・・

 あの事件は、起きなかっただろう。



 
 「早くしないとおいてくぞー!」
 「あー!まってよー!」
 「まったくー・・・先、でてるぞー!」
 「そんなー!!」
あっ!ごめん!自己紹介しなくちゃ!
私は、<神崎 えみり> みんなからは、えみぃって呼ばれてるの!
それから、私をほったらかしにして 先にいっちゃたのは私の幼なじみの <龍崎 涼>  みんなはリョウって言ってるけど、私はりょーちゃんって呼ぶの。
口は悪いけど、けっこうやさしいんだ!
 「おい!まだかー!」
ほらね!
 「まってー!」
私が走って行こうとしたとき・・・・

ドカーーーーーーーン!!!!!

 「!」
 「!」
轟音と供にまぶしい光があたりに広がった。
あまりにもまぶしかったので私は目を閉じてしまった・・・・・

 気がつくと見慣れない景色が私の目にうつった。
 「なっ!・・・」
私が呆然とあたりを見回していると、隣にいたリョーちゃんがむくっとおきあがった。
 「いたたた・・・えみぃ大丈夫か?」
私はそれには答えずに、
 「リョ・・・リョーちゃん!ここどこ?!」
 「どっ・・・どこだろ?」

     私達の冒険の始まりはここからだった。

 「おい!おまえら!」
私は声のした方をちらっと見た。
 「あのー。ここはどこですか?」
りょーちゃんが聞いた。
 「はぁ?お前ら、しらねーのか?」
 「えっと・・・ここって日本ですか?」
今度は私が聞いた。すると男は、
 「んー?」
と、私とりょーちゃんの顔をまじまじと見た。そして急に大声で、叫んだ。
 「あー!!思い出した!!」
 「ど、どうしたんですか?」
男は、小声で話した。
 「おまえら名前は?」
 「あ、えみりです。神崎 えみり。」
 「龍崎 涼です。」
私達も、小声で話した。
 「おー!!やっぱり!!」
男は、1人で興奮している。だけど急にこっちを向いて嬉しそうに話を始めた。
 「俺の名前は、<ゼイン・アルファ> ゼインって呼んでくれ! お前ら知らないみたいだから、ここの伝説を教えてやるよ!!」
 「伝説?」
りょうちゃんが聞いた。
 「おう。今から2000年程前、 ここらへんに頭ぐらいの大きさの青い宝玉が落ちてきて辺りに魔族がうろつきまくったんだ。
  その時、神族と竜族が魔族のボスを倒した。
  その戦いで神族の長と、竜族の長がちからつきた。だが死ぬ前にこう言ったんだ。
  <また、魔族が出たら 新しい使いがこの世界を守ってくれる。>
  ってな。ま、だいたい分かったろ?」
私とりょーちゃんは、黙ってうなずいた。
そのとき、

ドカーーーーーーーーーーン!!!!!

 「!」
 「あいつは竜族だ!!」
 「え!竜族は味方なんじゃ!?」
りょーちゃんは叫んだ。
 「ああ!でもあいつは、この前もここらへんにでた・・・
  ホワイトドラゴンだ!!」

 「ホワイトドラゴン!?」
私達が聞くと、
 「ああ、この前出たのは3日前だ。」
 「!」
 「どうしたの?りょーちゃん。」
するとりょーちゃんは黙って前に出た。 私が止めようとしたらブツブツとなにかをとなえ始めた。すると急に叫んだ。
 「我は契約の主である!!我が意に従え!!」
それを見たホワイトドラゴンはりょーちゃんのほうに頭を下げた。
りょーちゃんはこっちを向いてさみしそうに話した。
 「このドラゴンは、竜族の長が滅んでから、とてもさみしかったらしい、・・・」
 「だから地上まで・・・」
私が聞くとりょーちゃんはだまってうなずいた。
 「だけど、なんでお前が・・・!・・・そうか目覚めたんだな。」
ゼインの問いにもりょーちゃんは黙ってうなずいた。
そしてりょーちゃんの周りが紅く光った。でも、一瞬だった。
りょーちゃんの服装が学校の制服ではなくゼインや周りの人のような服だった。
 「わー。りょーちゃんかっこいい!!」
 「//////」
 「どうしたの?顔、赤いよ?」
 「な、なんでもないよ!」
私が考え込んでいるとゼインが、
 「すげーな!やっぱりお前らは神族と竜族の新しい使いなんだな!!」
 「はあ・・・」
 「ま。後は旅をしながらはなそうぜ!」
私とりょーちゃんはゼインにひっぱられながら、話を聞いた。
 「んーと・・・俺の知ってる限りのことを言うぜ。 さっきのドラゴンだけど、あいつはお前のそれに入ってる。」
と、りょーちゃんの服のまんなかにある赤い宝玉をさした。
 「能力は、独りでにつくらしいからそのうちお前にもつくよ。」
そういいながら、私を指差した。
ま、そういうわけでたびをすることになりました。
(トホホ)


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