悠久伝承歌 サーガ

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――1.迷宮での出会い――
 
「お宝ゲエェェェェェェット!!」
昼なお暗い迷宮に、陽気な声がこだまする
「んっくっくっくっくっやっぱこーでなくっちゃ面白くないわね」
あたしは今お宝を目の前にしている、これでうれしくならないやつは人ぢゃない
・・・まあ辺りに宝の守護者、ゴーレムの残骸が大量に横たわっていたりするのだが・・・ まあそれはそれとして
「ん〜〜〜今回も楽勝だったわねぇ・・・」
「さすが天才ラネア・フェナンティス!」
自分で言ってて何か情けなくなってきた・・・
気を取り直して、自己紹介など

あたしはラネア・フェナンティス、17歳
最近はこういう遺跡、迷宮のたぐいが少ないので やっかいごと請負人、流れの傭兵(冒険者)のまねごとなどをしているが・・・
本業は”財宝探求者”(トレジャー・ハンター)なのである
大好物は・・・お酒(はあと)

話を戻して、
「やっぱ伝説の剣だけあるわ、アストラル・ブレード(精神剣)は」
以前、とあることで手に入れた剣で、 アストラル(精神界)をつかさどっていて斬りつけられると 極度の脱力感と精神的、肉体的な苦痛が襲いかかるらしい・・・
むろんあたしは試してみたいなんぞと思ったことはみじんもない

「はあぁぁぁ・・・」
あたしはお宝を目の前にし、感嘆のため息をつく
その刹那!!
生き残っていたゴーレムが繰り出したパンチがさっきまであたしがいた場所をうち砕く!!
魔法強化でもされているのか、なかなか素早い動きである、だが、甘いっ!!
あたしは床を蹴り、ゴーレムの頭上から精神剣を突き立てる!!!

ごがぁっっっっ!!!
そのままゴーレムは粉々になり、崩れ去る、ふっ、ナサケナイ
・・・タネをあかせば単純なのだが・・・ ただあたしはパンチが繰り出される前にゴーレムの残骸の上へとびあがっただけなのである
「つっっっ・・・」
少し足をひねったようだ、着地に失敗したのは久しぶり・・・
いつつ・・少し休もう・・・
「僕がヒール(癒し)をかけましょうか?」
「だれ?」
「ひどいなあ・・・お忘れですか?ラネアさん」
その声は・・・
「久しぶり、ルーン」
「3ヶ月ほどですよ?」

ルーン・ライザラード、17歳、あたしの旅の連れで有能な魔道士、
精霊、黒、白、呪術、オリジナルと多彩な呪文を扱う魔道士で
冒険者ギルド魔道士学院オールマジックに所属している、会員NO,18794
非の打ち所がないやつだが致命的な欠点がある、それは・・・酒乱(きっぱり)
妹の結婚式に里帰りしてたはずだが・・・どうやら終わったようである

ルーンがヒールをかけてくれたおかげで、痛みはすっかり引いていた
「妹の結婚式はどうだった?」
「それなんですが、実は妹がさらわれてしまいまして、 だからラネアさんに協力をお願いしたいと思って、ここへ来たんですよ、 いやあ参りましたね、あっはっはっ」
を゛い゛・・・
「笑い事かああああああっっっ!!!」
昼なお暗い迷宮に、あたしの絶叫こだまする

「いや、しかしですね、妹をさらったやつはこう言っていたみたいですよ、 むろん、僕が聞いたわけじゃぁありませんけどね」

『神の名において、この女を連れてゆく、悪く思うな』
「神の・・・名において?」
「ええ、」
この世界、神なんぞが居たっておかしくはないが・・・??
「ねえ、ルーン」
「はい?」
「そのさらったやつってやたら重そうな白銀のプレート・メイル着て白銀の盾を左手にかかげて、 純白に銀のホーリー・ワーズ(神の言葉)を縁取ったマントをつけた 40歳前後の185pほどの男じゃなかった???!!!」
あたしには心当たりがある、以前受け持った仕事でやたら(神)を連発していたくそたわけ
「そういえばそう言ってましたねぇ・・・どうして知ってるんですか?」
「・・・・・・・・ぶっ殺す!!!」

「いくわよ! ルーン」
あたしはいきなりルーンの手をひっつかみ、出口へ向かって駆け出す!
「え・・・?」
「近くの町で聞き込みよ!」
「手伝ってくれるんですか?! ラネアさんが?!」
やっぱやめようかな・・・
「当然! 仲間でしょ! あたしたち!」
「ラネアさん・・・」
ルーンは感動しているが、それだけの理由で協力する気になったのではない
あの男ぶん殴る!!!
そうしないとこの胸のムカムカは収まらないと判断したためだった
−かくして−
あたしたちは一番近い町、ドラグーンについたのだった
・・・もうすっかり夜だったけど


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