悠久伝承歌 サーガ

6.運命の歯車へ戻る

――7.暗殺者の狂詩曲――
 
「・・・何でこんなことに」
ミストが情けない声を上げる
あたし達は、レイフィーリアまであと2,3日という位置まで来ていた
が、あたし達はまったく違う方向へ向かって歩いていた
何故かって言うと・・・
・・・原因はあたしにあったりする



「・・・まだ飲むんですかあ?」
僕はぐでんぐでんに酔ったラネアさんに聞く
「うるへーっ!あたしなんてなあ・・・あたしなんてなあ・・・」
・・・泣きそうですよ、まったく
「・・・泣き上戸か?こいつ」
ミストさんがたずねる
「いやあ・・・一口にそうとも言えなくて・・・」
「は?」
「てめーが悪いんじゃあっ!」
いきなりルディスさんにからみだすラネアさん
「えっ?!えっっ?!」

・・・わかりやすく説明すると、です
僕たち5人は夜のとばりが降りるまえに、 適当な宿場町の適当な宿に泊まり、晩御飯を食べていました、が・・・
気がつかない間にラネアさんが酔っぱらっていたって言うわけです・・・
まったく、「お酒(はあと)」もいいですけど、酔わない程度にして欲しいですねぇ・・・

「ったくぅ・・・みんな何をかんがへているんだあっっっ!!!!!」
                ばたっ
「すーすーすーすーすー・・・」
言いたいこと言って寝ちゃいましたか・・・
「・・・これで、眠れますね」
コリスティさんが言う
「じゃあ私たちは先に休んでますから、お休みなさい」
と、言い放ちそそくさと去ってゆくルディスさん&コリスティさん
「兄さん、どうしましょう?」
「うーん・・・」
部屋まで運ぶのは問題ない
もともと部屋は3つとってある・・・
コリスティさん&ルディスさんの部屋、僕とミストさんの部屋、ルナとラネアさんの部屋の3つ・・・
が、問題はそんなことではない・・・
「私も、先に休んでますね」
「あっ・・・」
「お休みなさいっ!」
逃げるように去ってゆくミストさん・・・
「あー・・・この始末はどうするつもりなのかね?」
ぎくうっ!

宿の主人がこの有様を見て話しかけてきた
辺りはラネアさんが散らかしまくった&壊しまくったものが散乱している
特に、かなり貴重なドラグストーンの神像が粉々である
さあて・・・どうしましょうか?
「あ、あのですねえ、これにはワケが・・・」
「問答無用」
だあ・・・やっぱり
「が・・・仕事をうけてもらえれば、ちゃらにしてやってもいい」

「この宿場町の近くに巨大な山があったろう?」
「え・・・ええ」
「そこから魔物がおりてきてね、困ってるんだよ」
これは仕方ないか・・・
「わかりました、やっつけてくればいいんですね」
「ああ、で、今日でなくてもいい、 そっちには酔っぱらってるやつもいるようだし・・・明日でいいぞ」
「は、ははははは・・・」
完璧に見透かされてますね・・・

(続く)


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