幻想大陸聖伝 テバジャ

――プロローグ――
 
静まり返っている暗黒の城に複数の足音が響き渡る
一人はこの城に似合わない白い衣に黄金の髪
色の白い肌に赤赤く染まった唇。
まさに絶世の美女である
他は黒い鎧に身を包んでいる。
どうやら兵士のようだ
女が逃げている方向に兵士の一人が回り込んだ
彼女は逃げられなくなりたちどまった
よく見ると女の手にまだ生まれたばかりらしい子供がいた
透き通るようなしろい肌に黄金の髪
彼女の子供だろうか

彼女は子供を強くだきしめた
「この子は私の子。けしてあなたたちの子ではありません!
ここを通してください!」
彼女は叫んだが兵士の一人がいった。
「ははは、この御子はなあ、
魔王ギャラクシィ様の御子よ。さあ渡せ!!」
「いや、いやあ!!」
女は子を離そうとしない。
兵士の顔は赤く染まりはじめた。
「いいかげんにしろ!!渡さないのならいまこの場で切り捨てるぞ!!」
「私がどうなろうとも離しません!!」
「のやろう!!」
兵士が剣を振りかざした時に子供に変化が起こった。
「!!!」
子供の額からすさましい光が溢れはじめた。

次の瞬間女と子供はいなかった
兵士の一人が呟いた
「まさか・・・
生まれたばかりなのに瞬間移動ができるくらいの力・・・
まさか本当にあのお方が
ギャラクシィ様のおっしゃっていたとおり
この世界の混乱を静めると伝えられている
伝説の『テバジャ』、
なのか・・・・・・」

18年後・・・

次回予告。
再び復活する幻想戦争。
巻き込まれるリ−セとアリスの運命は・・・・・
次回『再会』
  人間とは何のためにいるのか・・・・・・


第一章へ進む

猪鹿亭入り口 ★★ 印刷屋
竜人館 トップページ
このページに関するご意見、ご感想は、
ぎをらむ、こと嬉野通弥(ureshino@i.bekkoame.ne.jp)まで。