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――第三章(二)―― |
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forever song |
「アリスがいなくなったって?」 「そうなんですう。昨日陽の沈む頃まではいたんですけど・・・ さっき見に行ったら・・・」 「・・・・・・」 俺は昨日話した部屋にいる。 昨日はリリ−と話した後、この部屋に帰り、丁寧に謝った後いろいろな話をした。
「もしかして、さらわれた?」 どがどがどが
このおおきな足音はきっと司祭のペ−シェさんだ。 「その必要はなくてよ!」 しゅん!
俺の目の前に女の人が現れた。
「ふふ、どうしてここに入れたのか聞きたそうな顔ね。 しゃあん
メゾナの隣に人が現れる。 「くす・・・あなた達にとってはまさしく死神でしょうね」
大鎌女は大鎌を一振りした後、マグナ−シュ開放のための呪文を唱えた。
俺ははっきり言って驚いた。
俺は大鎌女とすれちがう。 操られているのか?
だったらなおさら殺せない! ざしゃあ
俺の背後を大鎌女は切り裂いた。
「魔族……」 カキイン!
「リ−セさあん。手伝って下さいよお。」 バシュウ!!
俺はナイフを投げる。
大鎌女は俺の方を見る。
指がちりちりする・・・ カッ
目を閉じてもその明るさがありありと分かった・・・
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forever dream |
この花畑・・・何処かで見たような・・・? 「どうしてここに・・・」 俺は花に触ろうとした。 でも通り抜けてしまった・・・ 「幻・・・か・・・」 俺が?花が?
俺は花畑を歩く。
もっと近づいたらふわふわレ−スの服を着た女の子と
だからあ、ボクの『ふぁあすと・きっす』は“アリス”のものねえ」
「リ−セ、帰りますよお」
そういえば、孤児院の先生がいってたな。
そしてこうとも言っていた・・・
俺は炎の壁に触った。
やっぱり結びついた。
アリスは覚えていたんだ。
アリスはよくは覚えていなかったのかもしれない。 アリス・・・
俺はお前をすきだった。
お前がいなくなったと分かった時、
ずっと一緒だった。
お願いだ!
その時だった。
はっ!!
「リーセ、あなた・・・」
その時だった
赤い、でも赤とはいえない色の液体が広がっていく。
誰も一言も言葉を発しなかった。
どのくらいこの沈黙、いや無の時間が過ぎただろうか。
矢の飛んできた方向から考えて分かっていたんだ。
血が、逆流する。 第三章完
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