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砂糖菓子(ライトノベル)だって甘くない | ||
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2005年8月11日
最近、ちょっと思い立ちまして富士見ミステリー文庫のリストを作り始めたのですが、
その時少々驚いたことがありました。
富士見ミステリー文庫のようないわゆる「ライトノベル」と呼ばれる小説は、
絶版になるのが早いと言われています。
「ライトノベルとは消費される小説だ」などとおっしゃる方もいらっしゃるようです。
次のグラフが調べた結果です。 |
富士見ミステリー文庫の購入可/絶版状態(2005年8月現在)
ここで
(「公式サイトの既刊リストにないもの=絶版」であると判断しましたが
「違います」という情報がありましたらメールででもご指摘下さい。修正いたします。
公式サイトの既刊リストにないものは大手ネット書店でも購入不可になっていることを確認しているので
まず間違いないと思いますが。)
2003年の末に刊行点数が一度ゼロになって、直後にバーストのように跳ねあがっていますが、
この時にリニューアル創刊が行なわれています。
しかしリニューアル刊行の直前、現在から2年ほど前あたりから
「品切・重版未定」という作品が出てきます。
それより前にさかのぼっていくと、刊行作品全てが健在という月も時にはあるのですが、
3年前になるととうとう刊行作品全てが「絶版」という月が出てきます。
刊行から何年経っているかで区切って、「品切・重版未定」「絶版」になっている割合を見てみましょう。 |
刊行から | 刊行点数 | 購入可 | 品切・ 重版未定 |
絶版 |
---|---|---|---|---|
トータル | 216 | 150 (70%) | 18 (8%) | 48 (22%) |
1年未満 | 49 | 49 (100%) | 0 (0%) | 0 (0%) |
1年以上2年未満 | 46 | 46 (100%) | 0 (0%) | 0 (0%) |
2年以上3年未満 | 45 | 32 (71%) | 9 (20%) | 4 (9%) |
3年以上4年未満 | 42 | 15 (35%) | 7 (17%) | 20 (48%) |
4年以上 | 34 | 8 (23%) | 2 (6%) | 24 (71%) |
刊行から2年までは安泰なのですが、2年が経過するとリストラが始まり、3〜4年で急激に進行し、
4年が経過した時にはもはや1/4しか生き残っていないことが分かります。
トータルでの生き残り率が70%ありますが、これは富士見ミステリー文庫の歴史がまだ浅いからです。
歴史の長いレーベルになると、これがどんどん下がっていくでしょう。
これはほんの1レーベルの例に過ぎませんし、
また、ライトノベルではない普通の小説ではどういう事情になっているのかも私は存じません。
なので、4年で3/4の作品が流通から淘汰されてしまうということが
ライトノベル全般から見て、あるいは小説全般から見て
相対的にどこまでシビアな部類に入るものなのか分かりません。
けれども上のグラフと表を作って、
プロの作家さんがご自身のサイトで「重版決まりました!」と大喜びで書かれる気持ちが
ほんの少しだけ分かったような気がいたします。
もちろん売れる=良いという訳ではありませんが、売れた、重版された、
というだけでも大したものなのです。
なにが言いたいのか私自身にもよく分からなくなってまいりましたが、
ライトノベルなんて呼ばれて持てはやされて、毎月毎月どかどかと新刊が出る
(まあ富士見ミステリー文庫は少ない方なのですが)華やかな業界も、
裏返せばサバイバルな世界なのです、
それが良いか悪いかは別にして貴方が触れているのはそういうジャンルなのですよ、
と分かったようなふりをして子供を見くだして満足している大人のようなセリフで無難にまとめて
今回は撤収しようと思いまする。
それではまた次回、お付き合い願いいたします。(ぺこり) |